トップメッセージ

大都市圏を中心とした需給バランスの崩れ、台風などの環境要因に加え、新型コロナウイルス感染症拡大が大きく影響

近年、宿泊業界は安定的な国内需要と増大するインバウンド需要に支えられ、特に東京・大阪などの都心部では宿泊主体型ホテルの新規出店が加速するなど、市場全体の拡大基調が続きました。
こうした中、グリーンズグループでは需要予測に基づく柔軟な販売施策や販路拡大などに取り組みましたが、2019年夏頃からの外国人宿泊需要の伸び率の鈍化、2019年9月、10月の週末を中心に相次いだ台風の影響、また東京、大阪、名古屋などの大都市マーケットの一時的な需給バランスの崩れ等により、客室稼働率や客室単価は当初想定を下回る水準で推移しました。
さらに2020年2月以降は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により出張や観光等の国内の宿泊需要が急速且つ大きく減少。全国に及ぶ緊急事態宣言発出による経済活動や行動の制限もあり大幅な減収となりました。

事業環境の変化に合わせ柔軟に対応、優先順位を再確認し成長路線回帰を目指す

今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、社会全体は大きく変わることが予想されます。足元では通勤や出張の見直し、テレワークの推進などが進んでいます。
しかしながら、回復時期は不透明ながら需要は必ず戻ると考えています。WEB会議やテレワークが急速に伸びた結果、地理的にはこれまで以上に広範囲なネットワークが形成されており、これは今後、新たな移動需要の呼び水になると考えられます。また国内レジャーや訪日外国人客数の推移はいずれもコロナ禍以前は増加基調にありました。インバウンドやレジャー関連の宿泊需要も、これらの根強いニーズに支えられ、それぞれのタイミングで戻ってくると確信しています。

「ホテル専業オペレーター」としての強みを活かして、ステークホルダーとともに、3つの“もっと”で新たな旅へ

2019年に策定した新経営ビジョン「TRY!NEXT JOURNEY ~新たな旅に踏み出そう~」に盛り込んだのが、「もっと、自由な旅へ」、「もっと、人と環境のそばへ」、「もっとワクワクする未来へ」というサブコンセプトです。この3つの“もっと”を通して、お客様や働く人たちなどすべてのステークホルダーに、自由やホスピタリティ、そして感動といいった価値をお届けしよう、という私たちの決意を表明しました。
ホテルは「旅」という経験の一部ですが、ビジネスホテルから事業をスタートした私たちが追及するのは、旅の「目的」になるようなホテルではなく、お客様の快適な旅をサポートできる「手段」としてのホテルです。当社グループが目指し、実現してきた自由で便利で手軽なホテルは、「ホテル専業オペレーター」として試行錯誤の中で長年にわたって磨き上げてきた経営ノウハウや効率的なオペレーションの結実でもあります。
これまで私たちは、20年以上に及ぶ賃貸借契約によって長年にわたってパートナーとの共同事業を継続して行ってきました。何物にも代えがたい「信頼」という財産を作ってきたその基本姿勢もまた、経験豊富な「ホテル専業オペレーター」という強みに裏打ちされているのです。

6年後に「売上高500億円」と「運営客室18,500室」。“コミットメント”として、数値目標の達成を目指す。

新経営ビジョンに併せて、当社グループでは2022年6月期を最終年度とする3ヵ年の新中期経営計画「GREENS JOURNEY 2022」も新たに策定いたしました。本計画は、2018年9月の新たな経営体制のスタートにあたり、これからの社会の変化や求められるビジネスモデルなどについて経営陣全員で徹底的に議論を重ね、そこで抽出されたグリーンズグループとしての方向性をまとめた新経営ビジョンをもとに、具体的な施策へと落とし込んだものです。
従来の中期経営計画は、毎年度修正を加える「ローリング方式」でしたが、今回は、売上高や利益、CAGRなど明確な数値目標を掲げ、3年間でその目標を達成すること、更に6年後の2025年6月期には「売上高500億円」「国内トップ5水準の運営客室数18,500室」を達成することに経営陣が責任を持って取り組みます。
5つの重点戦略のうち、特にポイントとなるのが「デジタル活用」で、例えば先般導入した「セルフチェックインシステム」はお客様自身が端末を操作してスムーズにチェックイン・チェックアウトできる画期的な仕組みです。新たな顧客体験の創造と生産性向上を実現するこうしたオペレーション改革にも積極的に取り組んでいく考えです。
「グリーンズホテルズ事業とのシナジーを意識した新業態進出」では、複数の可能性を検討中ですが、まずは宴会場の運営ノウハウを活用できる「貸会議室」と、インバウンド需要などで長期化する滞在に対応する「中期滞在用ホテル」に取り組みたいと考えています。また、東京オリンピック・パラリンピック後の市場変化のほか、国際情勢や為替相場などに影響を受けやすいインバウンド需要や経済情勢に左右される出張需要など、今後の環境変化に伴うリスクも注視しています。すでに私たちはリーマンショックを乗り越えた経験を通して、環境変化の影響を最小化するための知見を蓄積してまいりました。例えば、「ホテルを1都市に集中させない」「出店の軸足は一定規模以上の都市に置く」といったノウハウをもとに、将来のリスクに対処していきたいと考えています。
なお、CSRについては、環境活動の一環としてアメリカのチョイスホテルズインターナショナルが策定した「Room to be Green」というホテルの環境適応認証プログラムに沿って取り組みを進めていきます。
「エネルギー保全」「節水」「リサイクルと廃棄物削減」など計5項目を評価するこのプログラムには3段階の認証レベルがありますが、私たちはエネルギー管理システムの構築や再生可能エネルギーの利用などが要件となる最高位の「レベル3」認証を目指していく考えです。

“グリーンズらしさ”をこれからも

日本経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により世界経済とともに停滞に陥っており、ホテル業界におきましては、感染状況の推移やそれに伴う行政府の対応、収束時期の目途が不透明であることから、先を見通すことが難しい状況が続いております。
このような環境の下、新型コロナウイルス感染症予防対策を講じた事業運営の徹底、経営環境の変化に耐えうる体制実現に向けたコスト削減を進めつつ、成長路線回帰に必要な投資を見極め、継続実施していきます。
運営コスト、本社部門コストの見直しなどの費用圧縮などにより安定した事業運営継続に努める一方、各自治体、行政の宿泊・観光支援策への積極的な参画や、様々な観光需要喚起策から生まれる宿泊需要の取り込み等、事業環境を見極め、営業強化を図ってまいります。また事業開発においてホテルオペレーターチェンジ案件に対し、積極的な提案等を行うなど、需要回復期の競争力強化に向けた多面的な基盤強化を進めてまいります。
こうした中、私たちは「宿泊特化型・中間料金帯ホテル」で着実に収益を上げ、手堅く成長を遂げてまいりました。引き続きさまざまな改革を果敢に推進しながらも、奇をてらったことなどに安易に手を出すことなく、グリーンズらしい成功モデルを追求しながら、私たちは持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。

株式会社グリーンズ
代表取締役社長 村木 雄哉